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これまで数千人の安全運転者を強襲してきたまさに教習のプロである6名の現役の教習指導員、検定員が長年の経験から見えてきたことを率直にディスカッションするシリーズ。
第一回目は一発合格していく人の特徴やコツ、共通点など教習のプロの観点からどのようなポイントがあるのか?それぞれの指導員の考えを語っていただきました。
甲斐真也: 今日は運転免許教習においてスムーズに一発で合格するための学習姿勢について、皆さんの意見を聞かせてください。
松田: 1回で合格するためには実力が伴ってないといけません。技能教習、学科教習といったカリキュラムをこなすことはもちろん、効果測定にも取り組まなければなりません。2回合格すればいいのですが、3回、4回と受ける生徒もいます。そういう生徒は大抵、初回で合格していることが多いですね。
黒木: 以前は免許を本当に欲しいという方が多かったですが、最近は親の経営や仕事の影響で免許を取得する生徒が増えています。1回で合格する生徒は、やはり興味がありますね。車が好きだから、親が見ているからなど、覚え方もスムーズです。興味を持たせることが重要です。
石渕: 興味がある人が合格しやすいと思います。指導員のアドバイスをしっかり聞いてくれる素直な生徒が多いです。学科でも反応が良い生徒は、学科を一方通行でなく、対話的に進めることができます。
落合: 教習では、最初に指導員の説明をよく聞くことが大切です。理解が早く、正確な操作ができる生徒は、大きなミスなく合格していく傾向があります。
甲斐忍: 興味があるかどうかが大事ですね。興味がないと、話が入ってこないですから。コミュニケーション能力が高い生徒は教習しやすいです。生徒さんから質問があったりすると、教えやすく、伸びる傾向があります。
甲斐真也: 最近はすぐ諦める生徒が多いですが、挑戦し続けることが一発合格の秘訣だと思います。教習所に入る際の事前準備についても、何かアドバイスがあれば教えてください。
松田: 乗ってみないとわからないことがありますね。性格が運転に表れることもあります。無茶な運転をする生徒もいるので、そういう点も見極めが必要です。
甲斐真也: では、どのような性格や考え方の人が運転免許教習に向いていると思いますか?
松田: 性格的には、積極性やコミュ力が高い人が向いていますね。人の話をよく聞くことも大切です。
落合:やはり、運転が楽しく、早く免許を取れたと感じている人はいますよね。
松田:その通りですね。やはり、どのような目的で免許を取りたいか、そういうのが大事ですね。
甲斐忍:確かに、猫被らない子もいますね。わかってるふりとわからないふりがありますからね。ただ「はいはい」という人もいるんですよね。言い方を変えてみると、こちらも工夫できるかもしれませんね。コミュニケーション能力は、生徒さんにどういう生徒さんがいるかではなく、私たちに求められている部分でもあると思うんですよね。
松田:そうですね、例えば球技をやっている人は、視野が広いと思います。剣道や柔道をやっている子は少ないですからね。球技、特にピンポンやバレーなどは動体視力が良くなると思います。
石渕:野球とかもそうですよね。
松田:周りを見ながらプレーすることが大事ですよね。休業をしている人と比べて、周りが見えているし、剣道や柔道などは一直線上のスポーツですもんね。
甲斐忍:OBとしてもそういう風に思います。
松田:運転もそうですね。車の運転は同時操作が必要ですから。音楽も同時操作ですね。
甲斐忍:野球のキャンプ場でも音楽が流れていますよね。店舗でもボールが来たらバットを出すのと、カーブが来たらハンドルを切るのは似ています。
松田:そうですね、ハンドルを切るタイミングなど、タイミングが重要ですね。
甲斐忍:ピッチャーがファストボールとチェンジアップでタイミングをずらすのと同じで、車のスピードに応じてハンドルを回し始めるタイミングが変わります。野球やテニス、音楽など、タイミングが大事ですね。
松田:今の話は本当に興味深いです。
甲斐真也:何かしらの段階で不合格になってしまう生徒の対策を教えていただければと思います。
松田:学科の問題は2択ですね。わかっていなくても運が良ければ正解できます。適当に書いても30点は取れますが、間違えたところがわからないと点数の向上は難しいですね。合格者に言うとしたら、見直しの仕方が重要です。運良く当たることもありますが、自分でちゃんと考えて点数を確認することが大切です。
黒木:43点だった場合、あと2点が必要です。問題と教本を読むことが大事だと思います。
落合:運転の方では、うちの学校では聞き取り検定があります。どういうことで中止になったか、原因をしっかり聞いてもらって、次の検定に向けて準備することが大切です。
甲斐忍:技能と学科を考えた結果、不安感から目が動かない人が失敗すると思います。教習する生徒さんには、周りをよく見て、不安がらずに車の外を意識してもらうことが重要です。学科では、丸ばかり覚えるのではなく、バツの理由も理解することが大切です。
石渕:生徒さんが進んで受けてくれないので、携帯で問題を解けたりするので、そこでちょっとやってみてねという対策を伝えています。運転については、いろんな要素があって、運が悪いこともあると思います。
石渕:落ちた生徒さんには、落合先生が言ったように、担当の検定を聞いて、聞き取りして、生徒になぜ落ちたかを聞いて、もう1回運転できるから大丈夫というプラスな話をしながら、背中を押し、自信を与えて次の試験で頑張れるようにしています。
甲斐真也:不合格、特に技能の方に関しては、緊張やそのようなことから視野が狭くなる生徒さんが多いので、どう自信をつけさせるか、1つ1つできることを増やしていくようにしています。学科に関しては、間違った問題をいかに見直しして、自分だけの教科書を作るかということをよく話しています。間違った問題を繰り返し間違えることが多いので、そういった部分を正しく覚えていく作業が効果的だと思います。
甲斐真也:再試験に臨む心構えとして、自信を持って受けてもらえれば良い結果になると思っています。
甲斐忍:1回落ちた子の方がホームランで受かることがあります。不安感があることをプラスに持っていける人もいますよね。
黒木:やはり自信を持って次に進むようにアドバイスしています。
落合:緊張しない人はいませんが、検定する際には、生徒が緊張しないように案内します。失敗を繰り返さずに、次は絶対合格するという強い信念を持って頑張ってもらえるようにしています。
甲斐忍:技能が受かってて学科が落ちる生徒は、技能と学科を別に考えているようですが、ルールがわかってなかったら技能試験も受かっていないはずです。試験は緊張するものですが、1回2回失敗しても命まで取られるわけではないので、前向きに再試験に臨んでほしいと思っています。
甲斐真也:生徒の合格にどう貢献できるかという話ですが、不安感がある生徒にはどうモチベーションを保つかということが重要です。
松田:今話してくれた中で、褒める教習が生徒のモチベーションや合格にどう貢献しているかについて考えます。褒める教習は具体的にどうなのか、どういう使い方をされているかということを含めて、意識されているのかを考えます。
甲斐忍:モチベーションを上げることが重要です。教習中の小さなミスや失敗を「ナイスチャレンジ」として捉えることが大事です。生徒が信号無視や標識を見落とした場合でも、それを良い勉強として捉え、褒める材料にすることが重要です。
松田:褒める教習が生徒のモチベーションや合格にどう貢献しているかについて、具体的な効果があるかどうかを考えます。日常的な教習に活かせそうなことが重要だと思います。
黒木:ディスカッションを通じて、気軽に意見を交換して、今後の参考にできることが多くあったと思います。
落合:今までの経験や新しい発想をもって、生徒の指導をしていきます。
甲斐忍:コミュニケーションの重要性や褒める言葉を含めて、生徒に対してもっと話を聞いて、質問できるようにしようと思います。
石渕:皆さんの意見を聞いて、自分の引き出しにもなりました。今後も大変だと思いますが、他の指導員の先生たちと一緒に頑張っていきます。
指導員歴は24年。
一期一会の精神で取り組んでいます。趣味はサブカルチャー、漫画、映画、都市伝説などで、話題は豊富です。
指導員歴は27年。
教師として事故を起こさない運転者の育成を心がけています。スポーツが好きで、野球やサッカー、バスケットを観ることが多いです。
27歳から教習を始めて、約49年目。
教師として基本的な違反を起こさない初心運転者の育成を目指しており、信頼される教習を心掛けています。
指導員歴は23年。
趣味は弓道とアニメ鑑賞で、特にジブリ系を好む。アニメの話で盛り上がることもあります。
指導員歴は3年。
生徒に楽しんでもらうために、自分も楽しむことを大切にしています。食べることが好きで、食に関する話で盛り上がることがあります。
指導員歴は15年。
生徒ができないことをできるようにサポートすることを最優先。趣味は子供と遊ぶことで、子供ネタの話が多くなるかもしれません。